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相続税申告までの流れ|申告・納税の期限とペナルティに要注意

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相続により亡くなった方の遺産を受け取った場合、相続税の申告が必要になることがあります。基礎控除額を超える遺産があり、各人の控除等を適用してもなお課税価格がある場合には、所定の期限までに申告をしなければなりません。
ここでは相続税申告が必要な方が押さえておくべき申告手続の流れ、そしてその期限について解説していきます。

 

相続税申告までの流れ

相続税の申告はしようと思い立って即座にできるものではありません。以下で説明するように、様々な手続を進行させることでようやく申告を行うことができるのです。
期限も法定されているため、その期限がやってくるまで余裕があると考えず、早いうちに各種手続を進めていくようにしましょう。

 

死亡届の提出

被相続人が亡くなって相続が開始されてから、“7日以内”に、役所に死亡届を提出します。
通常は病院などから案内が受けられるため、その案内に従って書類を作成し、提出手続を行うようにしましょう。

 

相続人の確定

相続人が複数人いる場合、共同相続人らで協議を行い、その協議を経て各人が受け取る財産が確定されます。
相続税の申告は相続財産の全体に対して行うものではなく、受け取った側で、自らが実際に取得した財産に応じて申告および納税を行います。

そのため相続人を確定しないことには遺産分割ができず、申告すべき財産の内容も確定させられないのです。

なお、相続人を確定するには、被相続人の戸籍を集めていく作業が必要となります。被相続人の出生から死亡までの一連の戸籍を集めるのが基本的な調査方法です。

 

相続財産の調査

相続税の申告をするには、受け取った財産の価額がわからなければなりません。そしてその前提として、どのような財産があるのかを把握できている必要があります。
亡くなった方が現金や預貯金をどれだけ持っていたのか、土地や自宅を持っていたのかどうか、有価証券はないか、あるいは借金などはしていないか、くまなく調べていかなくてはなりません。

特に借金などの債務が遺産に含まれている場合、相続人にとってはその分負担が増すことになります。プラスの財産よりマイナスの財産の方が多いケースもあります。

 

相続の承認

相続財産の調査の結果、借金が大きすぎるなどの理由で相続をしたくないと考える場合には「相続放棄」の手続を家庭裁判所に対して行います。
「限定承認」という、プラスの財産の範囲で相続をするというやり方もあります。この場合、借金などの分を差し引いて経済的利益がゼロになることは起こり得ますが、債務だけが残って相続人がそれを負担するという事態が避けられます。

相続放棄や限定承認をしない場合、あるいは何ら手続をしない場合には、「相続の承認」をしたことになります。

どの選択肢を取るか、それまでの調査内容を受けて検討しましょう。

 

相続財産の評価

現金・預貯金に関しては課税上の評価額は明らかです。
しかし不動産などの物は評価額を算定しなければ納税額も算出することができません。

そこで財産の内容に対応した評価方法を用いて、評価額を把握していきましょう。
例えば土地の場合、「路線価」という形で土地の価値が付けられている場合、それを基準に評価額を計算することができます。建物の場合には固定資産税評価額がそのまま評価額となります。

その他様々な財産に対して評価を行い、価額を整理していきます。この作業は専門家に依頼する必要があるでしょう。

また、相続税上の評価額が把握できれば、それを財産目録にまとめておくと良いです。

 

遺産分割協議

財産の価値が把握できれば、誰がどの財産を受け取るのか、協議により定めていきます。
その協議の際には、「遺産分割協議書」を必ず作成しておきましょう。これがなくても無効とはなりませんが、ご自身がある財産を取得したことについての証明書類として使えますし、後々親族間でトラブルにならないようするためにも書面という形に残しておくことが必要なのです。

 

相続税申告書の提出

ここまで手続を進めれば、ご自身がどの財産を取得し、どれだけの額に課税がされているのかも把握できます。
そのため相続税申告書が作成できます。そしてこの申告書を税務署に提出し、納税すべき額がある場合には相続税の納付も行います。

 

相続税申告の期限について

相続税申告の期限は「亡くなったことを知った日の翌日から10ヶ月以内」です。
多くの場合、身近な方は亡くなった日にその事実を知ることになるかと思われますので、簡単のため「相続税の申告は相続開始から10ヶ月以内にしなければならない」と説明されることもあります。

上の通り、相続税を申告するまでには様々な調査や協議を行う必要があります。いきなり相続税申告書を作成しようとしても、書くべき情報が定まらず、手続を進めることはできません。

そのため相続開始から10ヶ月ぎりぎりになってから手続に着手しても間に合わせることは難しいでしょう。

 

期限を過ぎた場合

申告期限に間に合わせることができないと、「もういいや」「どうせ間に合わないしのんびりやろう」などとなげやりになってしまう方もいるかもしれません。しかしこのような対応は避けた方が良いです。
相続税の申告期限に間に合わないことでペナルティを課されるおそれがあり、さらにそのペナルティは期日からの経過日数に応じて重くなるからです。

無申告加算税や延滞税など、二重にペナルティを課される可能性もありますので、遅れたとしてもできるだけ早くに申告・納税を行うことが大事です。